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Story 03

男性社会の中で男性のように頑張る

​気付くと涙が流れている日々

離婚した当初は、居候させてもらっていた従妹の家で、一日中、布団の上で過ごす日々でした。時々、近所のスーパーに買い物に出ても、信号待ちの交差点で、気付くと涙が流れていることがありました。そんな私を心配して、外出した私の後を、従妹がそっと付けてきてくれたこともあったようです。

少しずつ気力と体力を取り戻した私は、スーパーで試飲や試食を勧める一日単位のアルバイトから仕事を始めました。その後、電話での販売・営業のアルバイト、エステサロンでの受付など、様々な仕事をしましたが、そのお給料では、自分一人で生きていくことがやっと…。このままでは、子どもたちを取り戻すことは出来ないと考え、毎週、転職雑誌を買ってお給料の良い仕事を探し続けました。

そして、外資系の保険会社に、出会った人たちのおかげで、なんとか滑り込むように就職しました。

雨の日の少女

​がむしゃらに働き続ける

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当時の外資系保険会社は、男性営業社員が9割を占める
THE 男性社会。

ただ一人の女性同期は、証券会社出身のバリバリ出来そうな人。同期の男性たちも、銀行の営業出身、車のディーラー出身など、営業経験のある人が多く、元専業主婦で、離婚後も仕事を転々としていて、まともなキャリアがない私は、異色中の異色の存在でした。
 

入社後は、不安もありましたが、とにかく子どもたちと一緒に暮らすことを目標に、がむしゃらに働き続けました。

その結果、周りの人たちの助けもあって、入社した翌年には、社内で表彰されるほどの営業成績を残すことが出来ました。
保険営業の仕事は、夜のアポイントも多く、夕食はほぼ毎日外食、家には寝るためだけに帰るような毎日でした。食事をする時間がもったいない気がして、カプセルで栄養補給できるようになればいいのにと思ったりしていました。
そうして走り続けた結果、社内表彰の常連メンバーとなり、世界中の生命保険、金融サービス専門職のトップクラスのメンバーで構成されるMDRT*成績資格会員となり、収入も毎年増えていきました。

ただ、その頃には、入社当時目標にしていた「子どもたちを取り戻す」という想いは、私の中で小さくなっていました。

子どもたちが、父親と祖父母との新しい暮らしの中で、私のいない自分たちの時間を刻んでいることを会う度に感じたということもありましたが、私自身も広い世界で素敵な生き方をしている多くの人たちに出会い、子どもたちをまた争いの中に巻き込むよりも、一人の人間として、真摯に生きる姿を見せられる母親になろうと決めたからでした。


*MDRT (Million Dollar Round Table)は、卓越した生命保険・金融プロフェッショナルの組織のこと。

もっと人間らしい生き方
暮らし方をしたい

 

その頃の毎日は、頑張れば頑張っただけ収入が増え、多くの素敵な人たちとの出会いもあり、充実していました。
心地良い疾走感、高揚感もありました。

自分の能力を活かしている実感があり、自信も生まれました。

どれも、専業主婦時代には感じられなかったものです。
 

でも一方で、卵管に腫瘍が出来て、両側の卵管を切除することになるなど、身体に大きなダメージもありました。組織検査の結果、幸い、悪性のものではありませんでしたが、その頃から、もっと人間らしい生き方、暮らし方をしたいという思いが私の中で膨らんでいきました。ずっとアクセルを踏み続けているような日々の中で、ゆっくりしたいという気持ちもありました。
 

そして、自分のメンテナンスと、これからのことをゆっくり考えるため、1週間ほど休暇を取り、バリ島のコテージホテルで、一人リトリートのような時間を過ごしました。そこには、私の他にも一人旅の日本人女性がいて、食堂やプールサイドで一緒になると、長い時間、語り合うこともありました。

この旅が本当に素晴らしく、入社当時、私の中に芽吹いていた、いつか女性と子どもたちのための場所をつくりたいという想いに、女性のためのリトリートをやりたいという具体的なアイデアが加わりました

花のつぼみ

​Key Message 03

どこを切り取っても
これがわたしの人生だと
心から思える​生き方へ

 

私の元にコーチングやファイナンシャル・コンサルティングを受けに来てくれるクライアントの女性たち、また友人の女性たちには、素晴らしいキャリアをもった女性たちが数多くいます。

そういう女性たちを見ていると、仕事で結果を残す=男性社会の中で男性のように働き、頑張っている、または、そうやって頑張った時代を過ごしてきた人がほとんどです。

そのために身体を壊した人も多く、私が外資系保険会社時代に体験したことは、他の多くの女性たちにも共通するものだと思います。

また、女性が仕事をすることは、仕事と何かを天秤にかけて選択することの連続です。結婚と仕事、出産と仕事、子育てと仕事、家庭と仕事、介護と仕事・・・。

でも、本当に天秤に掛けなければいけないのでしょうか?そもそも、天秤に掛けられるものなのでしょうか?

仕事も日々の暮らしも、出産や子育ても、どれも大事なものです。

私たちは、もう、男性のように頑張ること、何かのために何かを諦めることを仕方ないと受け入れることを止めて、心から望む人生を創り出していく時だと思います。

自分の中の『動』のアクセルだけをベタ踏みするやり方ではなく、

また『静』の部分のみで受動的に生きるだけでもなく、本来の自分のすべてを活かすやり方へ。

そして、自分らしく人生のすべて~ホールライフ~のバランスを取りながら、どこを切り取っても、これがわたしの人生だと心から思える生き方へ。

独立~両親から受け取ったもの~

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